社内の意識改革を実現!
人事部のみではなく、現場部門と共催で説明会

サトーホールディングス株式会社

~働き方改革法令に合わせて勤怠管理システムをリプレース~

サトーホールディングス株式会社は、2019年4月の働き方改革関連法施行前を目標に、2018年秋ごろから勤怠管理システムのリプレース先を検討模索していました。

勤怠管理システム各社の提案説明を受けながら、2018年末ごろに、株式会社ロココの勤怠管理システム『RocoTime』を選定しました。

今回のロングインタビューでは、勤怠管理システム『RocoTime』導入に挑んだ、サトーホールディングス株式会社の金沢様と米谷様に導入までのお話を伺いました。

ご導入サービス:勤怠管理システム RocoTime

業界・業種、社員数の規模を問わず、日本の商慣習を網羅した高機能なパッケージ製品です。約500のパラメータ設定により企業様ごとの特有の就業規則にお応えします。

お客様ご紹介


インタビュー

早速ですが、まずは、貴社の事業展開や内容についてお聞かせください。

お客様:当社は、1940年に竹、ラタン、ヤシ加工機械の開発・製造・販売からスタートしましたが、その後、常に進化を繰り返してきました。「あくなき創造」という言葉が当社の社是になっています。

素晴らしい社是ですね。

お客様:竹製品がプラスチック製品に代わり、当初の製品マーケットが縮小する中、創業者の佐藤陽は、商品への値付け作業を容易にする「ハンドラベラー」を世界で初めて発明しました。これが現在まで続く、「モノと情報を一致させる=情物一致」という、ビジネスの軸となります。

右から、サトーホールディングス株式会社 人材開発部 金沢人事企画担当主査
米谷人事オペレーショングループ長、株式会社ロココ 木原、唐。
サトーホールディングス株式会社受付フロアにて撮影。

「ハンドラベラー」は、貴社の歴史館に展示されていますね。

お客様:その後、バーコードが開発されハンドラベラーの需要が減ることを見通して、1981年にPOSレジスター用の熱転写方式バーコードプリンタを世界で初めて開発し、プリンタおよびラベルの製造・販売で大きく成長をとげました。更に1990年代から2000年代にかけて、製品の製造・販売という「モノ売り」から、お客様の課題を解決する「コト売り」(ソリュ-ション)への転換を図りました。お客さまの現場に足を運び、多種多様なモノと情報をバーコードで紐付け、集まったデータを収集し、ITシステムへ送り届けることで業務改善を図るビジネスモデル「DCS (Data Collection Systems) and Labeling」を確立したのです。

貴社の強みですね。

お客様:近年は、「DCS and Labeling」を軸に、さまざまな分野でパートナーシップを強化しています。当社は自動認識技術を使ったハードウェアおよび、ラベルなどサプライの開発・製造からソリューションの開発、インテグレーションまで一気通貫で行う世界で唯一の企業です。

世界で唯一とはすごいですね。

お客様:今日では、あらゆる人、モノがインターネットにつながるIoTの時代が到来し、ビッグデータの活用が注目されています。一方で、その裏側では一つひとつのモノに「誰か」が「情報を紐付け」、「正確なスモールデータを収集する」ことが必要です。モノとITの「ラストワンマイル」。この距離を「最後の1cm®」と称して、現場の最前線でつないでいく。これが情物一致を担って進化をとげてきた当社のこれからの使命と考えています。

サトーが開発した世界初のハンドラベラー

勤怠管理システム『RocoTime』導入の背景について

RocoTimeを導入されるにあたっての経緯についてお聞かせください。

お客様:10年前に導入した勤怠管理システムがあったのですが、カスタマイズを繰り返してきたこともありメンテナンスに相当な手間がかかるようになっていました。でも、刷新をしようと思った一番の動機は法改正への対応です。従来は、勤怠状況の報告は自己申告制でありながら打刻等による客観情報の取得が十分に出来ていませんでした。

しかし、御社にも入退館システムはありましたよね。

お客様:入退館システムは、勤怠管理ではなくセキュリティ管理の目的で使用してきました。今回の労働基準法の改正に合わせて新たな勤怠管理システムの選定を進めてきました。その中でもロココさんからは「2019年4月の法改正に間に合う」と力強く言って頂いて、非常に魅力的に感じました。

ありがとうございます。

『RocoTime』を選定された理由と製品に対する評価

お客様:他のベンダーでも法改正の対応だけなら同じように出来るのだと思います。しかし、納期まで明確に示して頂いたのはロココさんだけでした。きっと導入チームの体制やサポートの体制までしっかりしているのだろうと、期待できました。

ありがとうございます。我々としても、導入に関してお客様側からも十分な協力を頂けると確信できました。導入を円滑に進めるためにも、相互の協力関係が不可欠であると思います。ところで、RocoTimeを導入するにあたって目標にされたことを教えてください。たとえば、全体のコンセプト、具体的なイメージなど。

お客様:システムの更新、刷新は単なる手段であり、働き方を変えることが目標でした。実際、導入後は社員の意識も変わり、毎日必ず出退勤情報を入れるようになりました。入れないとアラート通知のメールが飛んできますから。今までは、1か月分をまとめて、月末に慌てて入力する人も多かったんですが(笑)。月次申請漏れの場合には月末にリマインドのメールが来ますし、入力しないと月次処理を締められないですからね。

意識はだいぶ根付いていますね。我々のソリューションがそのような意識づけに少しでもお役に立っているとすれば光栄です。少し細かいところですが、我々のソリューションには「ナッジ(nudge)」という仕組みを取り入れるように工夫しています。ナッジというのは行動経済学の分野で提唱されている手法で、人間の心理傾向に配慮してより良い行動を促すことを目的としています。もともとは「そっと後押しをする、肘でつつく」という意味の英語ですが、ちょっとした「きっかけ」を与えることで自発的な行動を促していくのです。

お客様:そうなんですね。我々の現場もまだまだ完ぺきとはいえず、強制的に月次の締め処理を行うというケースも散見されます。「強制的」というのは気持が良くないですから、システム側の工夫によって「きっかけ」が作られるというのは大変ありがたいことです。

実際に、人事部社員がRocoTimeを操作している模様

導入プロセスと体制について

RocoTimeの要件確認から検証開始または試験運用開始、本番運用開始までのプロセスを教えてください。

お客様:全体的にかなり短い期間で導入したものですから、十分に要件定義を行えないままスタートしたというのが正直なところです。それでもスピード重視で、走りながら要件を詰めていこうと割り切りました。

結果的に、ではありますが、今流行りのアジャイルなプロジェクトの進め方でしたね。

お客様:4月1日カットオーバーというスケジュールが動かせなかったため、仕方のない面もありましたよね。導入前の弊社各拠点への説明会は、3~4拠点は実施しました。そこでは色々な質問が出ました。もともとは会社としての「働き方改革説明会」のつもりでした。しかしながら「RocoTimeの設定ではこういうことが出来ないのか?」とか「何故出来ないのか?」など、様々な意見が出てきました。不満に近いものも多かったです。それらを極力反映して運用を開始してからも、さらに追加である程度の微調整はして頂きました。その結果、「自己流」のカスタマイズは極力避けながら「標準プロセス」の大枠は崩さないという、当社としてはほぼ要件通りでバランスの取れたシステム構築が出来たかなと感じております。

以前のシステムは、かなりカスタマイズによって手を加えられていたと伺っております。

お客様:そうです。会社としては良かれと思って、現場に受け入れられやすい形に調整して導入したつもりでいたのですが、現場からは「それは良くない」とか「おかしい」という不満の声が上がっていました。その点、RocoTimeはいわゆる「ベストプラクティス」ということでもともと法令に則った標準プロセスが確立されてシステムに実装されているため、「イレギュラー対応」というのはほぼすべて解消されたと思います。

本来、パッケージ製品(汎用的なシステム)を導入する最大のメリットはその点にありますからね。

お客様:正直なところ、以前のシステムのほうが操作が楽な面もあるのですが、もはやそれは12年間使い続けてきたことによる「慣れ」の問題なのかなとも感じています。

RocoTimeは「直観的な操作性」を重視していまして、UI/UXにもこだわっています。すぐに慣れて頂けると思います。

お客様:それに、これまでは現場の裁量に任されていた部分も多くありましたが(たとえば、代休・振休の相殺など)、今後は意識せずとも法令通りに運用することが徹底されるわけですし、メリットのほうが圧倒的に多いですね。また、ユーザ側で試験運用する中で変更すべき部分については柔軟に対応頂けて、そこは大変助かりました。

ありがとうございます。試験運用は何名規模で行われたのですか。人事・労務の方々だけですか?

お客様:テスト検証はそれほど本格的にはやっておらず、本番運用を開始してから色々な問い合わせが寄せられるようになりました。特に運用開始直後、4月は大変でした。4月末の勤怠を締めるときがピークで、それ以降、5月、6月、7月と、時間の経過とともに問い合わせは減っていきました。今ではもうほとんどないです。ちなみに、導入月は全体が確定するまで10営業日くらいかかりました。パートタイマーだけを先に締めるという工夫をしました。

4月分の勤怠が締まるのが、5月中旬くらいになってしまったということですね。

お客様:その後は、6月はだいぶ短くなり、7月になると第3営業日くらいまでに全体の締めを行えるようになりました。ようやく、元々の想定通りにいくようになりました。

ところで、社員の皆様は日々の登録をコツコツとされるようになったと思いますが、申請が上がってきたものを承認する管理者側の状況はいかがですか。承認は、しっかりやって頂けていますか。

お客様:やはりマネージャーによっては貯めてしまいます。個別に追いかけてはいませんが、締めるのが遅い部署は大体決まっています(苦笑)。個人を特定しようと思えば出来ます。

その点もぜひ、前述の「ナッジ」の仕組みを拡充させるなどしてご本人たちの自発的行動を促せるようにしていきたいと考えております。

お客様:当初考えていたよりも、日々の入力作業については意外と皆慣れてきているかなと思います。説明会の実施について、たとえば営業部門の責任者と人事部との「共催」という形で工夫したのも効果的でした。人事から一方的に説明されるよりも、現場の責任者からの主体性ある話のほうが聞き入れられやすいですからね。例えば、1か月の残業時間の上限が45時間という話も、営業部門の責任者から説明されたほうが納得しやすいようです。

RocoTimeというシステムにより残業時間の累積状況もリアルタイムに可視化できるようになりました。

お客様:そうですね。単純なようですけれども、まずは「時間」について可視化されることは重要だと思っています。その上で、なぜそのような時間の積み重ねになっているのか、もっと作業を効率化する余地はないのか、という実質的な方向に発想をシフトさせることが、真の働き方改革、労働生産性の向上実現への第一歩となると信じています。

サトー社内風景

RocoTimeを使ってみて感じた課題

実際にご利用いただいてみてから感じられた課題がありましたら教えてください。

お客様:部下の勤怠情報を画面上で一覧できる機能が欲しいですね。インボックスでは誰が一カ月のうちのどこまで勤怠情報を入力しているか、どのような月次申請をしているか、などを確認するための画面が欲しいです。

月次の一括作成メニューで一部代用はできますが、そういった機能の拡充は今後の課題と捉えております。

お客様:もう一点、現状は、月次処理が締まっていない本人に対してのみ督促メールが送信される仕組みですが、その上司に対しても督促とかアラートのメールが送信されるようにして頂きたいです。

そうですね。その点は、前述の「ナッジ」の機能拡充の一環として真剣に検討しています。一覧性の機能拡充という側面だけでなく、「ナッジ」の充実によってより多くの方々に自発的な行動を促していけるようにして参ります。

RocoTimeにおける今後の取り組みと、ロココに対する技術面での期待

今後取り組まれていきたいこと、特に技術面で私どもがサポートできそうなことがありましたら教えてください。

お客様:まずは、顔認証技術など最先端のテクノロジーが組み込まれた打刻システムを導入していきたいです。

なるほど、それは貴社らしいですね。他にはありますか。

お客様:一番は、ブラウザのChrome対応※を望みます。(※現在は対応済み)

Chrome対応は2020年春には実現させる予定です。

お客様:他には、パスワード初期化機能ですが、自分がパスワードを再申請し、変更できる仕組みがあると良いと思います。

ご意見ありがとうございます。RocoTimeは、今後も毎月アップデートを行い、機能強化に努め、ご期待に添えるよう進めていきます。何か気になることや期待することなどございましたら、いつでもご連絡ください。本日は長時間にわたり、お話をお伺いさせていただき、誠にありがとうございました。

(敬称略)

2019年8月6日
サトーホールディングス株式会社様事例ヒヤリング対談
サトーホールディングス株式会社様会議室にて
編集担当:人事ソリューション・エヴァンジェリスト:民岡良
/株式会社ロココ:唐、國本


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