インタビュー

電子チケット導入でシステムに求めたものは、幅広い年齢層の利用者への利便性と、ニーズに対応する柔軟なカスタマイズだった

美術館のチケッティングで重要な課題はどの様なことでしたでしょうか？

お客様：ハッキリ申し上げて、「どれだけ柔軟にカスタマイズが出来るか」です。私どもは新たにオープンする美術館として、
様々なチャレンジと発信をしていきたいと考えていました。今後展開していく展覧会にどこまで対応できるか、が課題でした。

券種は様々かと思いますが、メンバーシップと当日券と大きく二つ、システムでどのようなことに気を配られましたか？

お客様：どちらの美術館さんも、当日券が多いと思います。私どもの美術館も当日券の方が多いであろう、と想定しておりました。むしろメンバーシップをどれだけご購入いただけるか？という心配もありました。でも、メンバーシップと当日券を分けて考える計画はありませんでした。むしろ、チケッティングという大きな流れの中に、メンバーシップをどの様にのせていくか、という全体の流れを考えていました。
それだけに、先ほど申し上げた通り「どれだけカスタマイズ出来るシステムか」が大きな課題でした。

その他、気を配られたポイントはございますか？

お客様：私どもは美術館ですので利用者の年齢層が広いため、これをいかに対応できるかもポイントでした。
チケット販売サイトについては多くの方にご利用いただくための操作性が非常に重要です。
そのため、できうる範囲で操作性の向上に努めました。

カスタマイズできるシステムをご評価いただきましたが、実際ご利用になって使い勝手はいかがでしょうか？

お客様：まずは日時指定券の販売状況と、お客様の購入〜使用までのフローなどをしっかり管理することが重要なのですが、私どももチャレンジをしているため最初に解らなかった課題が後から出てきます。それらの機能拡張や修正を行っています。
また展覧会では、お客様に安心して観ていただくため入場者数の管理やチケットの在庫管理をしておりますが、担当者から上長まで複数メンバーで活用できています。

QRコード認証による入場の導入は、
美術館としてのチャレンジと円滑な運営を行うためコロナ禍前から計画していた

QRコード認証による入場管理はいかがでしょうか？

お客様：恐らくですが、美術館はまだ紙チケットの当日券が主流だと思います。
そのなか、オンラインで事前購入できるシステムのため美術館でのチケット購入の列を短縮できています。QRコードに不慣れな方もいらっしゃいますが、リアルタイムで入場者数を確認できるメリットはあると思います。

コロナ禍が落ち着くと、QRコード認証はどの様に活用されるご予定でしょうか？

お客様：コロナ禍対策でQRコード認証を検討したわけではありません。コロナ禍発生前から施設を運営するにあたり、入場者数管理や、在庫管理などを対応する1つの策と考えていました。

チケッティングシステムと連動した自動券売機と入場ゲートによる施設運営の実現

弊社のチケッティングシステムとQRコード認証に、自動券売機、入場ゲートを連携したサービスを採用いただきましたが、導入後の印象・感想はいかがでしょうか？

お客様：やはり、様々な来場者がいらっしゃるので、機械操作の戸惑い、QRコードのチケットの扱い方が分からない方もいらっしゃいます。入場者数の管理など、管理上のメリットを感じながらも、来場者の立場で考えるとこれから改善することはあるかと思います。

NECマグナスコミュニケーションズさんご協力による自動券売機はいかがでしょうか？

お客様：自動券売機の操作に不慣れな方や、背が低い方には使いにくさもあるようです。しかし社会状況から、お支払いもクレジットカード利用者が多くなっていること、非対面による対応も増えてきているので、自動券売機に対するハードルが下がってくると思います。
来場者の方が慣れていくことに期待するだけでなく、改善できることは今後も改善していきたいと考えています。

クマヒラさんご協力によるセキュリティゲートは、いかがでしょうか？

お客様：モバイルゲートは、いいですね。
会場にあわせて他のフロアでも移動して使えるので、とても便利です。
混雑する展覧会ではQRコードの読み込みで列ができることもありますが、通常時であれば読み込みスピードは遅くないと思います。

QRコード認証による入場方法は他の美術館から問合せも　今後もよりよいシステムに仕上げていきたい

今後の課題について、お教えください。

お客様：多様なチケット販売、オンラインに限らない申込み方法のメンバーシップ会員の情報含むDBの一元化など、課題はあります。
今後は来場者の利便性向上や美術館らしい体験をしていただけるシステム側の改善もできればと思います。

今後、ロココに期待されていることがございましたら、お教えください。

お客様：当館をご利用いただく方の年齢層が幅広いため、今後も細かい修正をしていきたいと考えています。
例えばもう少し文字を大きくしてほしいとか、UI／UXの微修正など、今後も利用者のご意見に耳を傾けて検討を継続したいと考えています。
チケットの券面も、美術館のチケットらしさを取り入れられたら、来場者の満足度も向上するかと思います。

本日は、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。