今は環境変化の激しいVUCA（「Volatility：変動性」「Uncertainty：不確実性」「Complexity：複雑性」「Ambiguity：曖昧性」の頭文字からなる）の時代であるといわれています。このような時代では消費者ニーズの変化も激しく、デジタル技術を活用しないと対応が難しい場合も多くなっているといえるでしょう。

一方、IT技術者の不足が叫ばれはじめており、デジタル技術を活用したくても開発をするのに十分なIT人材を確保できない企業も出てきているのが現状です。情シス部門に企業の事業戦略上のDX化に注力してもらいたくても、業務部門でもデジタル対応が必要なことが増え、事業戦略上のDX化の推進が難しいという企業も多いのではないでしょうか。

ここではこのようなIT技術者不足のために生じる課題への解決方法として、導入を検討したいMicrosoft社のPower Appsとは何なのか、なぜPower Appsを導入すると課題解決につながるのかについて説明します。

Power Appsとは

Power Appsとは、これまでは専門的な開発知識を持つエンジニアでない限り制作が難しかった業務用アプリケーションを、事前に構築されたテンプレートなどを使い、ドラッグ アンド ドロップでの簡単操作で非エンジニアでも独自に構築できる開発プラットフォームです。PowerPointを操作するような直観的UIを持ち、Excelのような関数を入力することでアプリケーションを構築することができます。もちろん、構築後も必要に応じて継続的な改善を行うことができます。

Power Appsを導入するとIT人材不足の課題解決につながる理由

Power Appsはプログラミング言語の知識が豊富ではない非エンジニアでもアプリケーションが開発可能なノーコードツール/ローコードツールというのが最大のメリットです。情シス部門が業務部門にアプリケーションの開発を任せることが可能になり、業務用アプリケーションの開発にかかっていた情シス部門の時間を事業戦略上のDX化にかかわる開発に使用することができるようになります。

また、業務用アプリケーションの開発には、まず業務ロジックや業務フローを理解することから始め、要件定義をする必要があります。業務を理解していない情シス部門が対応すると多くの時間と労力がかかり、忙しい情シス部門の負担が増すことが明らかです。Power Appsを活用すれば、業務ロジックや業務フローを熟知した業務部門でアプリケーションの開発が可能となります。それにより、情シスの負担が軽減するだけでなく、より現場のニーズにマッチしたアプリケーションが制作できることが期待できるでしょう。

Power Appsを導入する際の注意点

業務部門がアプリケーションの開発を行うことができるようになるといっても、Power Appsを導入すれば、課題がすべてなくなるというわけではありません。業務部門はアプリケーションの開発に慣れていないため、そもそも要件定義や保守、管理をきちんとしなければならないことを意識していない可能性があります。また、Excelのような関数を入力する場合など技術的知識が多少でも必要な場合もあります。

そのため、業務部門が自らアプリケーションの開発ができるようになるからといって、業務部門に任せきりにするのは難しいこともあります。Power Appsを導入するだけでは、業務用アプリケーションの開発が情シス部門の手を完全に離れるわけではないということを知っておきましょう。

Power Appsを有効に活用し、業務部門で完結する開発にするために

Power Appsは非エンジニアでも業務用アプリケーションの開発ができる、IT人材不足の時代に必要な開発プラットフォームです。一方で、アプリケーション開発に慣れていない業務部門が開発するには、情シス部門のサポートが必要になるという課題が残ります。

この課題を解決するために、情シス部門が行う業務部門へのサポートをIT専門企業に依頼するという方法があります。各IT専門企業により強みが異なりますが、例えばPower Appsの多くの導入実績、様々な業界における業務課題の抽出経験を持つIT専門企業であれば、業務部門の業務フローや業務ロジックの理解から課題の抽出、的確な課題解決ための提案をしてもらえます。そしてアプリケーション開発から、実装、効果検証、そして最終的に業務部門内で開発からアプリケーションの改善が完結できる内製化までサポートしてくれます。このような強みをもつIT専門企業に依頼することで情シス部門が業務部門に対して行うサポートの時間を減らし、情シス部門はコア業務への注力、業務部門はアプリケーション開発の内製化を進めることが可能になります。

Power Appsを導入し、IT専門企業に導入から内製化までのサポートを依頼して、自社の事業革新、自立型DXを実現しましょう。

ロココではPower Platformの初期導入から効果検証・内製化フォローまでワンストップで提供しています。特にPower Appsの導入実績は多く、要件定義・コンサルティングまで対応いたします。Power Appsにご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。Power AppsはPower Platformのページで概要がご覧になれます。概要はこちらからご覧ください。