いつでも、どこでも、0.3秒で顔認証。その用途は無限大!ロココが顔認証システム『AUTH(オース)』の自社開発に至った経緯と開発秘話

顔をカメラに映すことで本人であることを認証する顔認証システムはオフィスの入退室やスマホのログイン、イベントの入場、空港など活用される場所が増えてきました。ロココも自社開発した顔認証システム『AUTH(オース)』を提供しています。ロココは25年以上、チケッティングシステムでエンタメ業界を支援してきたことから、エンタメ業界でタブレットによる顔認証で入退場を管理する顔認証システム『AUTH thru(オースルー)』から始まり、顔認証で電気錠の解錠をする『AUTH thru KEY』、自社の勤怠管理システムと連動させた顔認証で打刻をする『RocoTime(ロコタイム)×AUTH』、顔認証で本人確認をするアルコールチェッカーアプリなど、顔認証の用途を拡大しています。
*AUTH thruは株式会社ロココの登録商標です。

ロココが顔認証システムの自社開発に至った経緯や開発秘話、今後の顔認証の用途拡大について、責任者、開発者、事業部担当者の3人に話を聞きました。

責任者:
常務取締役
清水 知幸
開発者:
取締役 新製品開発本部 本部長
河村 博文
事業部担当者:
クラウドソリューション事業本部
プロダクトソリューション事業部 事業部長
西迫 哲彦

―顔認証導入のきっかけはチケット不正転売禁止法だった!

清水:コンサートなどイベントのチケットは紙が主流でしたが、手間や費用などの課題から電子化が進みQRコード*を利用するところが増えてきました。しかし、QRコードは転送ができるため、転売が可能です。演者から「ファンクラブなど観覧したい人たちにチケットがいきわたらなくなる転売は防止したい」と要望がでるようになり、法律でも令和元年6月14日に「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(略称チケット不正転売禁止法)が施行されました。
*QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

この法律が定められたことにより、転売者が行為を止めるだけでなく、イベント開催側にも転売防止策を実施する必要が出てきました。ちょうどそのころ生体認証(生体認証とは唯一無二である個人の身体的特徴を使って、本人の認証をすること)が利用され始め、銀行などでは指紋で本人確認をするようになっていました。しかし、指紋認証にはスキャナーが必要であり、静脈認証や虹彩認証は高価でした。そのため移動が多く、入場だけに多額のコストをかけられないイベントには、移動が難しいスキャナーや高価な生体認証は不向きでした。顔認証は顔を映すカメラ(タブレット)さえあれば認証を行えるため、イベントには向いていたと言えます。

―AI技術が発展途上の中、顔認証システムの提供を始めたのはイスラエルの企業との出会い!

清水:ただ、顔認証がイベントに向いているといっても課題はありました。法律が施行された当時はまだAI技術が発達しておらず、イベントで活用するには、顔認証は敷居が高いものだったのです。大手メーカーが自社の製品に埋め込むために開発している顔認証システムはありましたが、警察への提供など大掛かりなものへの使用にとどまり、一般的に使用できるようなものではありませんでした。

そのころ、ロココは軍事産業からスタートアップしたイスラエルのベンチャー企業を訪問することになりました。いくつもの企業を訪問している際、顔認証の技術を持っている企業に出会い、顔認証システムをロココで提供しようとなりました。

―顔認証システムの提供開始後、運用面での課題が明らかに!

清水:イスラエルの顔認証技術を使って、入退場管理のサービスを提供し始めました。最初はイベントのスタッフの顔認証から始めました。認証の仕方としては、各スタッフが自分のスマホで顔を認証すると、QRコードが表示され、そのQRコードによって入場することができるというものです。元々登録している顔と本人が一致するかという認証なので、1:1の認証(登録したAさんの顔とスマホに映したAさんの顔が同じであれば認証OKというもの)でした。表示されるQRコードは最短3秒に1回切り替わるもの(ダイナミックQRコード)のため、転送はもちろん撮影やスクリーンショットなどの複製による不正ができないようになっていました。

しかし、実際に運用をスタートしてみると大きな2つの課題が出てきました。1つめは、電波状況です。電波が悪い環境ではQRコードの認証ができなくなってしまいます。2つめは時間です。スマホとサーバーの時計があっていないと、表示されたQRコードを認識できません。サーバーがイスラエルにあるため、日本時間に合わせた時間の更新をしておかないとエラーになってしまうのです。そのため、大きなイベント等ではリスクが大きく、活用が難しいということになりました。

そこでイスラエルではなく、日本で画像解析をしている企業の顔認証のエンジンを活用して、利用者が使用するアプリをロココで開発することにしました。ここから、顔をタブレットに映して認証する『AUTH thru』の提供が始まりました。AUTH thruではイベント申込者の顔のデータベースと参加者の顔で合致している顔があるかどうかを確認する1:nの認証に変わったことも大きなポイントです。

西迫:ただ、多くの人が顔認証は100%認証できるというイメージを持っています。1:nの認証ではエラーになることもあり、開発当初はなかなか満足してもらえませんでした。また、当時の動作環境は高価なGPU(Graphics Processing Unit、画像処理装置)のパソコンに限られ、Webカメラを使用していたため、ピントが合わないなど運用課題がありました。

そのような中、新型コロナウイルスの流行もあり、顔認証システムは徐々に広がっていき、アイドルグループのオンライン握手会や、劇場への常設、コンサートや演劇の企画する企業との連携につながっていきました。

▼合わせてよく読まれている導入事例

―都度の依頼やコストなど課題解決のため、自社開発を決断!

河村:AUTHはシリーズとして『AUTH thru』だけでなく、『AUTH thru KEY(顔認証解錠)』、『RocoTime×AUTH(顔認証打刻)』など横展開をしています。しかし、他社のエンジンを使っていると、様々な改善要望を他社に依頼しないといけません。緊急事態でも他社に問い合わせないといけないので運用がうまくいかない、また依頼するたびにコストがかかるという課題がありました。

清水:横展開するためにも自社で開発すべきという経営判断がくだり、自社開発を開始しました。

―自社開発でのこだわりは、どんな場所でもスピーディーに認証ができること!

河村:顔認証は光という外的要因に弱いため、光の要因に強い(つまり、暗いところでも顔認証ができること)をコンセプトとして開発してきました。また、こだわったのは認証スピードです。10万人を認証するのに1人当たり0.3秒のスピードです。他社では、いろいろな角度から写真を撮り、それらの写真をもとに認証を行っている顔認証システムもありますが、ロココでは正面の写真1枚で行っています。1枚で行うことで照合する写真が少なくなり、認証スピードを速くすることができています。

西迫:運用をしていく立場としては、運用面から開発に要望を出しています。例えば、コンサートでは開演までの時間内に認証を終わらせないといけません。それができるようにアプリの開発を依頼するのです。

▼合わせてよく読まれている導入事例

―代理店・お客様とともに顔認証の新たな用途の可能性を探る!

清水:AUTHシリーズのエンジンの開発を引き続き進めています。例えば、アルコールチェッカーでは現在12社の代理店様にご協力をいただき、営業を行っています。各代理店様には様々な業種のお客様がいらっしゃいます。今後は代理店様、そして、そのお客様にご協力を仰ぐことで、ロココだけでは難しい顔認証の新しい可能性を見つけていきたいと考えています。

―ロゴへの思い

顔認証システムの思いはロゴにも表れています。

※本記事は「PR TIMES STORY」に掲載したものです。
オリジナルサイト(PR TIMES STORY)でご覧いただく場合はこちらから

▼合わせてよく読まれている導入事例


お申し込み・問い合わせは
こちら

お問い合わせはこちら