システムを入れるだけでは品質向上は難しい?コンタクトセンター(コールセンター)の知見が必要な理由

コンタクトセンターの業務効率化や品質向上を目的にシステムの導入を検討している企業もあるのではないでしょうか。実際にシステムを導入して、業務効率化や品質向上を実現している企業もあるでしょう。一方で、システムを導入しても効果が実感できない企業もあるかもしれません。なぜでしょうか。ここではシステムを導入する、また導入しているシステムを見直す際に、注意したい点について説明します。

システムは万能薬でも即効薬でもない

コンタクトセンターの課題はシステムを入れれば解決すると思い、まずはシステムを導入しようと、知らず知らずのうちにシステム導入が目的になっていることはないでしょうか。システムは導入するだけでコンタクトセンターの業務効率や品質向上が実現できるという万能薬ではありません。またシステムを導入したらすぐに品質が向上するという即効薬でもありません。システムを導入する前に何が課題であるかを明確にすることが必要です。

現在のコンタクトセンターの課題はどこにあるのか

まずはコンタクトセンターの課題とシステムを導入することで何が可能になるのかについて説明します。

コミュニケーターによって対応が異なる

この課題に対しては、システムを使うことで2つの解決方法が考えられます。1つは、コミュニケーターの経験やスキルに合わせて、対応する案件を振り分けること、そしてもう1つはよくある案件に対しての模範回答テンプレートを用意し、メールの場合はコピー&ペースト、電話の場合はそのまま回答すればいいようにすることです。これにより、コミュニケーターの対応を標準化することが可能になります。

問い合わせ状況のリアルタイムでの把握&分析により品質を向上させたい

こちらもシステムを導入すれば課題を解決に導けます。システムにはダッシュボードという、グラフ等で現状をリアルタイムで把握できる機能があります。また、問い合わせ履歴などを集計、分析することで、問い合わせの傾向などをつかむことができます。これによりコール数に対してコミュニケーターの数が足りているか、回答を探す間にお客様をどれくらい待たせているのかなどの把握ができ、品質向上に向けた対応の検討が可能になります。

システムを導入しただけで課題が解決しない理由

上記を見るとシステムを導入することで課題は解決できると思われます。しかし、実際それだけでは、課題を解決し、コンタクトセンターの品質向上をさせるのは難しいといえます。なぜなら課題を解決し、品質を向上させるのに重要なのはコンタクトセンターの知見だからです。先述のシステムの導入で解決する課題に対してもコンタクトセンターの知見があることが前提となります。詳しく見ていきましょう。

コミュニケーターの経験、スキルに合わせた案件の割り振り

システムは案件を割り振ることはできますが、割り振る条件を決めるのはコンタクトセンターのスーパーバイザー(SV)、管理者です。案件ごとに必要な経験、スキルは異なってきますし、どの程度の経験を積めば、これまでの案件以外の対応ができるのかなどの判断が必要になってきます。その判断はシステムにはできません。

模範回答によるコミュニケーター対応の標準化

システムの導入により、過去の回答履歴を検索することは可能になります。ですが、コミュニケーターはどれが模範回答になるのかがわからないと、最新の履歴などを判断基準にして回答を送ってしまう可能性があります。もし、それが回答としてはふさわしくない場合はお客様にご迷惑をおかけすることになってしまうでしょう。SVは、案件ごとの模範回答を作成し、それをコミュニケーターに示す必要があります。システムが過去履歴から模範解答を作成することはできません。

ダッシュボードでの現状把握やデータ分析

システムの導入により、ダッシュボードでリアルタイムにコンタクトセンターの状況が把握できる、またシステムからデータを取得して集計・分析を行うことが可能になります。ですが、リアルタイムで何を把握すればコンタクトセンターが効率的に運営できるのか、どのような集計・分析をすればコンタクトセンターの品質向上につなげられるのかを考えるのはSVです。システムが考え、判断するわけではありません。

コンタクトセンターの知見が足りない場合のコンタクトセンター運用方法

ではコンタクトセンターの知見が足りない場合、どうすればいいのでしょうか。やり方としては2つあります。

コンタクトセンターの知見を持つ専門会社からシステムを導入する

1つめがコンタクトセンターの知見を持つ専門会社からシステムを導入することです。コンタクトセンターの豊富な実績を持つ専門会社であれば、ダッシュボードで何を把握すれば効率化できるかなど、導入時のコンサルティングをしてもらえます。コンサルティングにより課題解決に向けてシステムを有効活用することができるでしょう。
しかし、コンサルティングをどこまでしてもらえるのかは、専門会社によって異なるため、専門会社に問い合わせ、どこに依頼するかを判断するのがいいでしょう。

コンタクトセンターをアウトソーシングする

コンタクトセンターのアウトソーシングという選択肢もあります。コンタクトセンターの豊富な実績のある専門会社に依頼すれば、質の高いサービスをお客様に提供できます。コミュニケーターの確保や電話などの設備投資の必要ありません。そのため、コンタクトセンターの知見が足りない場合だけなく、システムを入れるほどの規模でコンタクトセンターを考えていない場合においてもアウトソーシングを検討するのがいいでしょう。

コンタクトセンターの品質の向上にはシステム導入前にコンタクトセンターの知見を

コンタクトセンターの品質向上を目指すうえで、システム導入は単なる手段でしかありません。まずはコンタクトセンターの知見が必要です。知見があってはじめて知見を活かしやすく、コミュニケーターが使いやすいシステムを選択し、導入する流れになります。システム導入=品質の向上ではないことを覚えておきましょう。

ロココでは、15年以上のコンタクトセンターの実績があります。またコンタクトセンターに活用できるシステムMicrosoft Dynamics365の導入支援も行っています。コンタクトセンターの豊富な実績による知見をもとに導入支援を行いますので、Dynamics365の導入についてご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。また、コンタクトセンターのアウトソーシングも承りますので、アウトソーシングについて検討、またはシステム導入かアウトソーシングかで迷われている場合も、ご相談いただけます。
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